眼科検査のプロ(視能訓練士)が解説|目の病気・近視・視力の完全ガイド

眼科検査に10年以上携わるプロが、目の違和感や視力低下、子どもの目の異常などをわかりやすく解説。受診の目安や検査でわかることを専門知識と現場経験をもとに伝える情報ブログです。

マイサイト ワンデーとは?何歳から?近視抑制効果とミヨスマートとの違いを解説

「子どもの近視が進んでいるけれど、メガネ以外の方法はないの?」
「マイサイト ワンデーって、普通のコンタクトレンズと何が違うの?」

マイサイト ワンデーは、近視の視力補正をしながら、近視の進行を抑えることを目的とした1日使い捨てのソフトコンタクトレンズです。

ただし、「8歳になれば使える」「ミヨスマートより効果が高い」と単純に判断できるものではありません。実際に使えるかどうかは、目の状態、コンタクトレンズを扱えるか、本人の希望、生活スタイルなども含めて考える必要があります。

また、DIMS技術を使ったMiYOSMART(ミヨスマート)などの近視管理用眼鏡も選択肢のひとつです。

この記事では、マイサイト ワンデーは何歳から使えるのか、研究で報告されている近視抑制効果、ミヨスマートとの違い、どんな子にどちらを検討しやすいのかを、視能訓練士の立場から分かりやすく解説します。

01

マイサイト ワンデーとは?普通のコンタクトとの違い

近視進行抑制を目的とした1日使い捨てコンタクト

マイサイト ワンデー(MiSight® 1 day)は、近視の視力補正と近視進行抑制の両方を目的としたソフトコンタクトレンズです。

一般的な近視用コンタクトレンズも、近視による見えにくさを矯正して遠くを見やすくします。マイサイトも視力を補正する点は同じですが、それに加えて、近視の進行を抑えることを目的とした特殊な光学設計が採用されています。

また、1日使い捨てタイプなので、その日の装用を終えたレンズは廃棄し、翌日は新しいレンズを使用します。

普通の近視用コンタクトとの違い

大きな違いは、レンズの役割が「見えるようにするだけ」ではないことです。

マイサイトには、遠くを見るために近視を矯正する領域と、近視進行抑制を目的とした領域が配置されています。そのため、見た目は一般的なソフトコンタクトレンズに近くても、通常の近視用コンタクトとは目的やレンズ設計が異なります。

近視の進行を完全に止めるレンズではない

マイサイト ワンデーは、近視を治したり、近視の進行を完全に止めたりするものではありません。

代表的な3年間のランダム化比較試験では、通常の単焦点ソフトコンタクトレンズを使用した群と比べて、マイサイト群では近視度数の変化と眼軸長の伸長が小さかったことが報告されています。

つまり、「眼軸が伸びなくなる」「つければ近視が止まる」という意味ではありません。開始後も眼科で目の状態や近視の進み方を確認しながら続けていくことが大切です。

02

マイサイト ワンデーは何歳から使える?

「マイサイトは8歳から」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

クーパービジョンの日本向け公式情報では、使用できる年齢について明確な制限は設けられていません。コンタクトレンズを適切に取り扱えることを前提として、実際の適応は眼科医に相談するよう案内されています。

そのため、「8歳になれば必ず始められる」「7歳だから使えない」と年齢だけで判断するものではありません。

「8歳」という数字がよく出てくる理由

代表的な3年間の臨床試験では、研究開始時に8〜12歳だった近視の子ども144人が登録されました。

ここから分かるのは、「8〜12歳で研究を開始した子どもたちを対象に効果と安全性が検討された」ということです。「8歳未満では使用できない」という意味ではありません。

研究対象となった年齢と、実際の使用可否は分けて考える必要があります。

年齢以上にコンタクトを扱えるかが重要

子どもがマイサイトを使用できるか考えるときは、年齢だけでなく、次のような点も確認します。

  • レンズのつけ外しを安全に行えるか
  • 装用前の手洗いなど、衛生管理を守れるか
  • 痛みや違和感、充血などがあったときに保護者へ伝えられるか
  • 決められた装用方法を守れるか
  • 保護者が必要に応じてサポートできるか
  • 本人にコンタクトを使う意思があるか

小学生だからコンタクトは難しいとも限りませんし、反対に、年齢が上がれば必ず安全に扱えるわけでもありません。

本人が「使いたい」と思っているかも大切

保護者がマイサイトを希望していても、本人が目を触ることを強く怖がっている場合、毎日の装用が負担になることがあります。

一方で、スポーツ中の眼鏡が気になる、眼鏡を外して過ごしたい、自分からコンタクトを使ってみたいと話している場合には、マイサイトを検討するきっかけになることがあります。

視能訓練士の視点

私が眼科で検査をしている中でも、特に中学生前後になると、スポーツや見た目をきっかけにコンタクトレンズを希望する子をみることがあります。これは医学的な適応とは別の話ですが、毎日続ける方法だからこそ、本人の希望も確認しておきたいポイントです。

03

マイサイト ワンデーの近視抑制効果は?

マイサイトを検討するとき、「実際にどのくらい近視の進行を抑えられるの?」という点は気になるところだと思います。

代表的な研究のひとつが、研究開始時8〜12歳の近視の子ども144人を登録した3年間のランダム化比較試験です。

この研究では、マイサイトを装用する群と、通常の1日使い捨て単焦点ソフトコンタクトレンズを装用する群を比較しました。

1

近視度数の変化

3年間の平均変化は、マイサイト群が−0.51D、対照群が−1.24Dでした。対照群と比べて、マイサイト群では近視度数の変化が59%少なかったと報告されています。

2

眼軸長の変化

眼軸長の平均変化は、マイサイト群が0.30mm、対照群が0.62mmでした。対照群と比べて、眼軸長の伸長が52%少なかったと報告されています。

「59%」は近視が59%治るという意味ではない

「59%」だけを見ると、「マイサイトを使えば近視を59%止められる」と受け取ってしまうかもしれません。しかし、そういう意味ではありません。

これは、この研究に参加した子どもたちを3年間追跡し、対照群と比較したときの差です。マイサイト群でも平均−0.51Dの近視進行と0.30mmの眼軸長伸長が確認されています。

そのため、「眼軸が伸びるのを防ぐ」ではなく、「研究では、対照群と比較して眼軸長の伸長が小さかった」と理解するのが適切です。

また、近視の進み方や得られる効果には個人差があります。マイサイトの公式情報でも、近視の進行を完全に止めるものではないと案内されています。

04

マイサイトとDIMS・ミヨスマートは何が違う?

マイサイトと比較されることが多いのが、DIMSという技術を使った近視管理用眼鏡です。代表的な製品のひとつが、HOYAのMiYOSMART(ミヨスマート)です。

一番分かりやすい違いは、マイサイトはコンタクトレンズ、ミヨスマートは眼鏡レンズという点です。

1

装用方法

マイサイト:1日使い捨てソフトコンタクトレンズ。毎日の着脱と衛生管理が必要です。
ミヨスマート:眼鏡として装用します。目へ直接レンズを入れる必要はありません。

2

乱視への対応

クーパービジョンの公式情報では、マイサイトは−0.75D以下の乱視に対応可能と案内されています。ただし、実際の適応は眼科医が判断します。

一方、日本眼科学会掲載の「近視管理用眼鏡(多分割レンズ)ガイドライン(第1版)」では、MiYOSMARTの処方可能範囲として、球面度数Sが−10.00D〜0.00D、円柱度数Cが−4.00D〜0.00D、かつS+Cが−10.00Dまでと示されています。

処方可能な度数範囲に入っていることと、実際にその子へ適していることは同じではありません。乱視の程度は、選択肢を考える材料のひとつです。

3

毎日の管理

マイサイト:1日使い捨てなので洗浄・保存は不要ですが、装用前の手洗いや正しい着脱など、コンタクトレンズとしての管理が必要です。
ミヨスマート:通常の眼鏡と同様にレンズやフレームを管理し、ずれやフィッティングも定期的に確認します。

4

スポーツとの相性

マイサイトは眼鏡フレームの影響を受けないため、眼鏡のずれや接触が気になるスポーツでは検討しやすい場合があります。

ただし、装用したままプールへ入ったり入浴したりすることは避けるよう公式に案内されています。「スポーツをする子なら何でもマイサイトが向く」という意味ではありません。

マイサイトとDIMSの研究結果は単純比較できない

「結局、どちらのほうが近視を抑えられるの?」と思う方もいるでしょう。

ただし、マイサイトとDIMSで報告されている数字をそのまま横に並べて、優劣を判断することはできません。

マイサイトの代表的な研究は、研究開始時8〜12歳、3年間、単焦点ソフトコンタクトレンズとの比較です。

一方、DIMSの代表的なランダム化比較試験は、8〜13歳、2年間、通常の単焦点眼鏡との比較で行われました。

DIMS群では、2年間の近視度数の変化が−0.41D、単焦点眼鏡群が−0.85D、眼軸長はDIMS群0.21mm、単焦点眼鏡群0.55mmでした。対照群と比べて、近視進行は52%少なく、眼軸長の伸長は62%少なかったと報告されています。

しかし、「マイサイトは59%、DIMSは52%だからマイサイトのほうが上」「どちらも50〜60%だから同等」とは言えません。研究期間、対象となった子ども、比較した対照群などが異なるためです。

それぞれの数字は、その研究条件の中で解釈する必要があります。

05

マイサイトと近視抑制眼鏡、どんな子にどちらを検討しやすい?

マイサイトと近視管理用眼鏡のどちらを選ぶかは、近視度数や年齢だけでは決められません。

大切なのは、その子が日常生活の中で無理なく、安全に続けられるかです。

マイサイトを検討しやすいケース

  • スポーツ中の眼鏡のずれや接触が気になる
  • 本人がコンタクトレンズを希望している
  • レンズのつけ外しを練習できる
  • 手洗いなどの衛生管理を守れる
  • 保護者が必要に応じてサポートできる
  • 近視・乱視や目の状態がマイサイトの適応に合う

ただし、スポーツをしているから必ずマイサイトが向いているわけではありません。水泳など、装用したまま行えない活動もあります。

近視管理用眼鏡を検討しやすいケース

  • コンタクトレンズに抵抗がある
  • 目を触ることが苦手
  • 毎日の着脱が難しい
  • すでに眼鏡を問題なく使えている
  • 乱視などの理由でコンタクトレンズの選択肢が限られる

本人が眼鏡を嫌がらず、適切に装用できているのであれば、無理にコンタクトレンズへ変更する必要はありません。

「どちらの効果が高いか」だけで決めない

近視進行抑制について調べると、「一番効くのはどれ?」という数字に目が向きやすくなります。

しかし、実際には次のような条件も重要です。

  • 本人が嫌がらず続けられるか
  • 学校生活に無理なく取り入れられるか
  • スポーツや習い事と両立できるか
  • 家庭で必要な管理ができるか
  • 定期的な眼科受診を続けられるか

研究の抑制率だけで選ぶのではなく、その子と家庭が続けやすい方法を考えることが大切です。

06

途中で近視抑制眼鏡からマイサイトへ変更できる?

近視管理用眼鏡を使っている途中で、「スポーツを始めて眼鏡が気になるようになった」「本人がコンタクトを希望するようになった」「成長して自分でレンズを扱えそうになった」といった変化が出てくることがあります。

そのような場合、近視管理用眼鏡からマイサイトへの変更を検討することはあります。

ただし、「希望すればいつでも変更できる」という意味ではありません。変更するときは、その時点での目の状態や近視・乱視の程度、コンタクトレンズを安全に扱えるかなどを改めて確認します。

低学年では眼鏡を使っていても、成長して本人がコンタクトレンズを希望するようになれば、改めて眼科で相談できます。反対に、眼鏡を問題なく使用できているのであれば、そのまま続ける選択肢もあります。

「何歳になったら眼鏡を卒業するか」ではなく、その時点でどの方法が合っているかを考えるとよいでしょう。

07

マイサイト ワンデーを始める前に眼科で確認したいこと

マイサイトの適応になるか

まず確認したいのは、現在の目の状態でマイサイトを検討できるかです。

  • 近視の程度
  • 乱視の有無や程度
  • 左右の度数差
  • 角膜や結膜など目の状態
  • コンタクトレンズ装用に問題がないか

マイサイトは公式情報では−0.75D以下の乱視に対応可能とされていますが、実際に使用できるかは眼科医が判断します。

コンタクトを安全に扱えるか

マイサイトは1日使い捨てですが、コンタクトレンズであることに変わりはありません。

正しい手洗いや着脱方法を身につけ、痛み・充血・違和感などがあるときは無理に装用を続けないことが大切です。初めてコンタクトレンズを使う子では、保護者がどの程度サポートする必要があるかも確認しておきましょう。

どのくらい装用するのか

クーパービジョンでは、レンズに慣れた後は1日10時間以上・週6日以上を目安として装用するよう案内しています。

ただし、実際の装用方法や時間は、処方した眼科医の指示に従ってください。装用時間が短い場合、期待される近視進行抑制効果が得られない可能性があります。

近視の進行をどう確認するのか

マイサイトを始めたら、それで終わりではありません。定期的な受診で、視力、近視度数、コンタクトレンズの状態、角膜や結膜、装用中のトラブルなどを確認します。

施設によっては、目の前後の長さである眼軸長を測定して経過をみることもあります。

次回の受診で確認してみること

「うちの子の場合、近視の進行はどのように確認していきますか?」

検査方法や受診間隔は施設や目の状態によって異なるため、開始前に確認しておくと継続しやすくなります。

費用や通院頻度も確認する

近視進行抑制は継続して考えていく必要があります。開始前に、レンズ代、初回に必要な費用、定期検査の費用、通院頻度、レンズが合わなかった場合の対応、途中で別の方法へ変更する場合の対応なども確認しておくとよいでしょう。

費用や運用方法は医療機関によって異なるため、記事上の一律の金額だけで判断せず、受診予定の施設へ確認してください。

08

よくある質問

Qマイサイト ワンデーは何歳から使えますか?
A. 日本の公式情報では、使用年齢に明確な制限はありません。代表的な3年間の臨床試験は研究開始時8〜12歳の子どもを対象としていますが、実際の適応は年齢だけでなく、目の状態やコンタクトレンズを安全に扱えるかなどを含めて判断します。
Q乱視があっても使えますか?
A. クーパービジョンの公式情報では、−0.75D以下の乱視には対応可能とされています。ただし、実際の見え方や目の状態も含めて眼科医が判断します。
Qマイサイトを使えば近視は止まりますか?
A. 完全に止めるものではありません。臨床試験では、対照群より近視度数の変化や眼軸長の伸長が小さかったことが報告されていますが、効果には個人差があります。
Q毎日つける必要がありますか?
A. 公式では、レンズに慣れた後は1日10時間以上・週6日以上が目安とされています。実際の装用時間は眼科医の指示に従ってください。
Qレンズのケアは必要ですか?
A. 1日使い捨てタイプなので、使用後にレンズを洗浄・保存するケアは必要ありません。その日の装用が終わったら廃棄し、翌日は新しいレンズを使用します。ただし、装用前の手洗いなどの衛生管理は必要です。
Q途中で外したレンズはもう一度つけられますか?
A. 一度目から外したレンズは再装用せず、廃棄します。外出先で外れてしまった場合に備えて、予備レンズや眼鏡を用意しておくと安心です。
Q水道水でレンズを洗ってもいいですか?
A. 水道水では洗わないでください。水との接触によって眼感染症のリスクが高まる可能性があるため、公式でも水道水を使用しないよう案内されています。
Qマイサイトをつけたまま水泳や入浴はできますか?
A. 水泳や入浴の際はレンズを外します。公式でも、装用したままプールや入浴をしないよう案内されています。そのため、「スポーツをする子に使いやすい」といっても、すべてのスポーツで装用したまま使用できるわけではありません。
Qスポーツのときだけ使ってもいいですか?
A. 近視進行抑制を目的とする場合、スポーツのときだけ装用する方法が適切とは限りません。公式では装用時間の目安も示されているため、自己判断で使用方法を変えず、眼科医に相談してください。
Qミヨスマートとマイサイトはどちらの効果が高いですか?
A. 研究で報告された数字だけを見て、どちらの効果が高いと判断することはできません。研究期間、対象年齢、比較した対照群などが異なるため、「59%と52%だからマイサイトのほうが上」「どちらも50〜60%だから同等」と単純比較しないことが重要です。
Q途中でミヨスマートからマイサイトへ変更できますか?
A. 成長や生活スタイルの変化に合わせて変更を検討することはあります。ただし、変更するときには、その時点の近視・乱視・目の状態や、コンタクトレンズを安全に扱えるかを改めて確認します。
09

まとめ|マイサイトかミヨスマートかは効果の数字だけで決めない

マイサイト ワンデーは、近視の視力補正をしながら、近視の進行を抑えることを目的とした1日使い捨てソフトコンタクトレンズです。

日本の公式情報では「8歳から」と一律に決められているわけではなく、実際に使用できるかは、目の状態、コンタクトレンズを扱えるか、本人の希望、保護者のサポートなども含めて判断します。

また、DIMS・ミヨスマートなどの近視管理用眼鏡も選択肢のひとつです。どちらか一方が、すべての子どもに向いているわけではありません。

  • コンタクトレンズを安全に扱えるか
  • 近視や乱視の状態
  • 眼鏡を問題なくかけられるか
  • スポーツなどの生活スタイル
  • 本人がどちらを希望しているか
  • 家庭で無理なく管理できるか

今は近視管理用眼鏡を使用していても、成長や生活スタイルが変われば、将来的にマイサイトへの変更を相談することもできます。反対に、眼鏡を問題なく使えている子が無理にコンタクトレンズへ変更する必要もありません。

眼科で相談するときの一言

「うちの子の場合、マイサイトと近視管理用眼鏡のどちらを検討しやすいですか?」

近視の進行状況や目の状態、生活スタイルまで含めて相談すると、選択肢を整理しやすくなります。

医療国家資格保持者による執筆
視能訓練士たなか
視能訓練士

たなか 視能訓練士(ORT)

大学病院のアイセンターで10年以上勤務し、現在も病院眼科で眼科検査業務に従事しています。視力・屈折検査、眼鏡処方、小児の視力検査などの実務経験と、学会・公的機関・査読論文の情報をもとに、一般の方にも分かりやすい解説を心がけています。

国家資格:視能訓練士 眼科検査の実務経験10年以上
運営者プロフィールを見る

※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療・処方を行うものではありません。コンタクトレンズや近視進行抑制の適応は目の状態によって異なります。実際の使用については眼科医へご相談ください。詳しくは免責事項をご確認ください。