「目に空気がシュッとくるやつ」苦手な人多いんですよね~

 

目に近づいてくるあの感じ、何回やっても慣れないものです。

 

今回は、あの「眼圧検査」の大切な役割。

 

目の硬さをチェックすることの必要性。

 

意外と知られていないのが検査の方法は一つではないということ。

 

「どうしても空気が怖い」という方や、角膜の状態に合わせた別の測り方もあります。

 

今回は、眼圧ってそもそも何?という基本から現場の視点でお伝えします。

そもそも眼圧とは?目の健康を支える数値の正体

眼圧とは、一言で言えば「目の硬さ(眼球内の圧力)」を指す数値です。私たちの眼球は、内部を満たしている「房水(ぼうすい)」という液体の量によって、まるで膨らんだボールのように一定の形状を保っています。この房水が作られる量と排出される量のバランスが崩れると眼圧が変動し、目の健康に大きな影響を及ぼします。

適切な眼圧を維持することは、視覚情報を脳に伝える「視神経」を守るために欠かせません。眼圧が極端に高くなると視神経が圧迫されてダメージを受け、視野が欠けていく緑内障のリスクが高まるからです。一方で、眼圧が低すぎても眼球の形を維持できず、視力低下を招く恐れがあります。

日本人の眼圧の正常範囲は、一般的に「10〜21mmHg」とされています。ただし、眼圧が正常範囲内であっても視神経が弱い方は緑内障を発症する場合があるため、数値の絶対的な高さだけでなく、定期的な検査で「自分の基準値」を知っておくことが極めて重要です。

【徹底比較】眼圧検査の種類とそれぞれのメリット

接触型
精密な診断や治療効果の判定に。角膜に直接触れて測定。
非接触型
スクリーニングや予備検査に。空気を当てるなど非接触で測定。

眼圧検査は、測定器具が目に直接触れるかどうかに基づき、大きく「接触型」と「非接触型」の2つのカテゴリーに分類されます。どちらの検査方法にも独自の役割があり、眼科ではスクリーニングから精密な診断まで、目的に応じてこれらを使い分けています。

患者さんの目の状態や過去の病歴によっては、特定の検査方法が有用となります。例えば、角膜の厚みや手術の有無は測定値に影響を与えるため、精度の高い診察には各検査特性を把握しておくことが不可欠です。

最も一般的な「非接触型眼圧計(ノンコンタクトメーター)」

健康診断や眼科の予備検査で頻繁に用いられるのが「ノンコン」と呼ばれる非接触型眼圧計です。
この装置は、角膜に向かって一瞬だけ空気を吹き付け、その風圧で角膜がどれほど凹んだかを光学センサーで解析して数値を算出します。空気が当たる瞬間の衝撃に驚く方は多いものの、検査自体は極めて短時間で終了します。

最大の利点は、目に器具が直接触れないため感染症の心配が全くなく、麻酔の点眼薬も必要としない手軽さにあります。一方で、測定の瞬間に強くまばたきをしたり、目に力が入ってしまったりすると、実際の数値よりも高く測定される傾向がある点には注意が必要です。

眼圧検査の様子

精密検査の標準「ゴールドマン圧平眼圧計(アプラネーション)」

眼科の診察室にて、医師が顕微鏡(スリットランプ)を使用して直接測定するのが「アプラ」と呼ばれるゴールドマン圧平眼圧計です。
測定時に青い光を照射しながら、専用の小さなチップを角膜に直接押し当てて圧力を測ります。角膜を一定の面積まで平らに押し広げるのに必要な力を測定する仕組みであり、外界の要因を受けにくいのが特徴です。
この方法は世界的に「ゴールドマン法」として確立されており、現時点で最も信頼性の高い正確な数値が得られます。緑内障の確定診断や、点眼薬による治療効果を厳密に判定する際には、このアプラによる測定が欠かせません。なお、角膜に触れるため事前に麻酔の目薬を使用しますが、痛みを感じることはほぼありません。

低刺激で安全性が高い「アイケア眼圧計」

近年、多くのクリニックで導入が進んでいる最新の測定器が「アイケア」です。
非常に細い使い捨てのプローブ(小型の棒)を角膜に一瞬だけ数回接触させ、その跳ね返る速度の変化から眼圧を割り出します。空気が出るタイプのような不快感が少なく、非常にソフトな感覚で測定が完了します。
この検査の特筆すべき点は、接触時間が極めて短ため、麻酔なしでも痛みや違和感をほとんど伴わない点です。特に角膜が非常に薄い方や、近視矯正手術などで角膜の強度が変化している方でも、過度な負担をかけずに安全かつ正確な測定が可能です。車椅子の方や小さなお子様など、従来の装置では正しい姿勢をとることが難しい場合でも柔軟に対応できる利便性を備えています。

アイケア(リバウンド)法:跳ね返りの速さを測る仕組み

アイケア眼圧計が「リバウンド」と呼ばれる理由は、角膜に触れたプローブ(細い棒)が跳ね返ってくる速度を利用して眼圧を測定するためです。
この装置の中には、非常に軽くて細い使い捨てのプローブが入っています。スイッチを押すと、磁力の力でこのプローブが前方に飛び出し、角膜に一瞬だけ触れて戻ってきます。この「戻ってくるスピード」をセンサーが解析することで、目の硬さを算出する仕組みです。

例えば、パンパンに膨らんだ硬いボールに小さな玉をぶつけると、勢いよく跳ね返ります。一方で、空気が抜けた柔らかいボールだと、玉はあまり勢いよく跳ね返りません。これと同じ原理を、目の中で起きている圧力(眼圧)に応用しています。眼圧が高い(目が硬い)ほどプローブは速く跳ね返り、眼圧が低い(目が柔らかい)ほど跳ね返りは遅くなります。
この「跳ね返る(リバウンドする)」動きを測定に利用しているため、リバウンド眼圧計という名称で呼ばれています。空気(ノンコン)のような衝撃や、チップを押し当てる(アプラ)ような圧迫感がないのは、この極めて軽いプローブの跳ね返りを利用しているからなのです。

眼圧検査3つの手法・比較表

これまでの解説を踏まえ、それぞれの検査方法の特性を簡潔にまとめました。

検査名 メリット デメリット
ノンコン(非接触) 麻酔不要で手軽に受けられる。 まばたきや緊張で数値が高く出やすい。空気が苦手な人には不向き。
アプラ(ゴールドマン) 世界標準の精度。精密な診断や治療効果の判定に最適。 医師による診察が必要。麻酔の点眼薬を使用する。
アイケア(リバウンド) 麻酔なしで痛みがほぼない。角膜が薄い方や子供でも安全。 導入している施設が限られる場合がある。
Q眼圧検査で数値が高く出たのですが、すぐに緑内障ということですか?
いいえ、すぐに緑内障と診断されるわけではありません。
眼圧は、その日の体調や時間帯、血圧の変化、さらには検査時の緊張(力み)によっても常に変動しています。また、眼圧には個人差があり、「10mmHg前後が平均の人」もいれば、「20mmHg前後が平均の人」もいます。

正常範囲(10〜21mmHg)のギリギリであっても、それがその人にとっての「いつもの値(ベースライン)」であり、視神経に異常がなければ問題ありません。逆に、数値が正常範囲内でも視神経が弱ければ緑内障が進行する場合もあります。もともと角膜が厚い方は数値が高く出やすいといった体質の影響もあるため、一度の数値に一喜一憂せず、視野検査や眼底検査などの精密検査を併せて行い、総合的に判断することが重要です。
Qコンタクトレンズをつけたまま眼圧検査は受けられますか?
原則として、コンタクトレンズは外して検査を行います。
特に「アプラ」や「アイケア」といった直接角膜に触れる検査では、レンズを傷つけたり、正確な数値が測れなかったりするため、必ず外す必要があります。空気を当てる「ノンコン」の場合も、レンズの厚みが測定値に影響を与えるため、外して測定するのが一般的です。受診の際は、保存ケースや替えのレンズを持参することをお勧めします。
Q「空気が苦手」と伝えたら、別の検査方法に変えてもらえますか?
はい、多くの眼科クリニックで対応可能です。
「ノンコン」の空気がどうしても苦手で、反射的に目を閉じてしまう方は少なくありません。その場合は、医師やスタッフに相談すれば、麻酔点眼を用いた「アプラ」や、低刺激な「アイケア」に変更できる場合があります。無理に我慢して力んでしまうと、正しい数値が測れず検査の意味がなくなってしまうため、遠慮なく相談しましょう。
Q子供でも眼圧検査は受けられますか?
はい、受けられます。
特に近年導入が進んでいる「アイケア」は、お子様でも怖がらずに受けられることが多い検査です。空気が出る音や衝撃がないため、じっとしているのが難しい小さなお子様でも、短時間で安全に測定できます。お子様の検診において眼圧を知ることは、先天的な眼疾患の早期発見にもつながります。

まとめ


眼圧検査は、自覚症状のないまま進行する緑内障などの病気を早期発見するために、欠かすことのできない重要な検査なんですよね。
  • ノンコン: 手軽でスピーディーな健康診断の定番
  • アプラ: 精密な診断を支える信頼の世界基準
  • アイケア: 低刺激で角膜が薄い方や子供にも優しい最新手法

「空気が苦手」「検査が怖い」といった不安がある場合は、遠慮なく眼科スタッフや医師に相談してみましょう!

アイケアのような低刺激な機器が選択肢にあることを知っておいたらいいかも。

おいていない施設もあるかもですが

まずは適切な検査を定期的に受ける必要性を知る。

数値に一喜一憂するのではなく、まずは自分の「基準値」を把握する。

 

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断を代替するものではありません。手術適応やケアについては必ず眼科で相談してください。